猫の飼い方

背もたれに乗った猫

猫はとても可愛らしく、鳴き声も人を癒やしてくれます。ただし猫は気まぐれな 生き物でもあり、従順な子は少ないと感じます。狩の本能も強い生き物ですので、 そういった猫の特性を把握しながら飼育していきましょう。

猫は構ってほしい時には自分から擦り寄ってきますし、そうでない時は 自分のペースで行動します。「猫の気持ち」を見ながら接するのがベストです。

猫を飼う前に

猫を飼う前に、まずは心構えから。猫はとても可愛い反面、爪研ぎをしますし フンもします。猫用のトイレに寝床も必要ですし、ある程度の医療費や エサ代もかかります。

猫も長生きする動物ですので、将来的にも無理なくしっかり飼えるか、 経済的、環境的な判断も必要です。

病気になれば動物病院へ連れて行く必要もありますし、去勢や不妊手術を 選択する場合もあります。定期検診も受けるのに費用もかかり、健康管理も 飼い主の役目です。そしていつか来る死に別れはとてもつらいものがあります。 猫を飼うメリット、デメリット両方ありますので、 それらを踏まえて飼うかどうか決めましょう。

猫を入手・購入する

猫の顔のアップ

猫は主にペットショップ、ブリーダー、里親として子猫を譲ってもらう、 捨て猫を拾うなど、何通りか方法があります。

里親として子猫を譲り受けるのが1番手軽で確実ですが、特定の品種を飼いたいなら 複数のペットショップやブリーダーの所へ足を運びましょう。

その子との出会いは一期一会です。すぐには決めず、良い環境で飼育され、 健康面でもしっかり管理された所で猫を入手するのが最も理想的です。

ペットショップで猫を買う場合

ペットショップは、できるだけ何軒も見て回る事をお勧めします。猫の健康管理が しっかりと行き届いたお店と、管理があまり良くないお店もあります。 信頼できるお店で購入されるのがベストです。

ブリーダーから買う場合

猫の飼育に最も詳しいのがブリーダーです。子猫たちをどのような環境で飼育 しているか、清潔で猫にとって理想的な環境で飼育されている方から買うように しましょう。

特にブリーダーの場合は、猫はたくさんの仲間に囲まれて育ちます。 社交的な猫に育ちやすいので、複数飼うならブリーダーがお勧めです。

ただブリーダーも飼育に熱心な方もいれば、管理のあまり良くない方もいます。 できるだけ良いブリーダーを探す、評判のよい方を探す手間も必要かと思います。

里親から猫を譲り受ける場合

子猫が生まれて飼いきれないので譲渡する場合が多いので、飼い主の飼育状況を よく見て、健康状態のよい子猫かどうかよく判断してから譲り受けましょう。

捨て猫を拾って育てる場合

生まれた子猫を育てきれずに捨てられる事が多いようです。弱っている可能性も あるので、できるだけ早めに動物病院で診てもらう事をお勧めします。

猫の特性をよく理解しましょう。

愛猫を好みで選ぶのと同時に、それぞれの品種の特性を把握するのも大切です。 活動的な種類もいればおとなしい種類もいますし、手間のかかるタイプと そうでないタイプもいます。

猫の品種それぞれに良いところ、悪いところがあります。それらを総合的に判断して どの品種を選ぶか判断されるのがベストです。運動させるのが特に必要な 品種もいますし、手間のかからない品種もあります。

猫は室内飼いが基本になります。屋外では車にひかれたり、農薬など悪い物を食べて 死亡したりするリスクがありますので、なるべく室内で飼って下さい。

純血種の特性

純血種は習性や体格を判別しやすく、大きくなったらどのくらいの大きさになるかも 予測できます。ただし稀に性格が異なる子もいます。

ペルシャ猫やラグドールのような毛の長い長毛種には、定期的なブラッシングで 余分な毛を取ったり全身の毛流れを整える必要があります。毎日行うのが理想的です。 手間と時間がかかるので、毎日時間をかけられる方でないと長毛種は難しいです。

かかりやすい病気もだいたい決まってくるので、病気の症状や予防方法を把握して おいてください。

雑種の特性

両親の特性を受け継ぐため、混血種は両方の親の特性を把握できるのが最善です。 ただ両親が分からない、または親も雑種の場合は予測できません。

猫を飼う場所を決める

猫が運動できるキャットタワーや猫用ベッドに猫用トイレ、キャリーバッグを置けて、 ある程度広くて日当たりの良い窓のある部屋が理想的です。

猫を飼育するのに必要な物

首輪、猫用食器、猫用トイレトレー、猫砂、キャットタワー、キャリーバッグ、 キャットフード、猫じゃらしなどのおもちゃが必要です。これで猫を飼う準備が整いました。

猫を迎える

猫をお店で買うか、譲り受ける訳ですが、猫用首輪と子猫を入れるキャリーバッグが 必要です。ペットショップなら猫と一緒に買うこともできます。 お好みの色と形状を選んでください。猫は草も食べるので猫草も買って下さい。

初日はとても緊張します

子猫が初めて家に来たときは、猫はとても緊張して落ち着きません。今までと全く 違う環境に置かれたからですね。あまり眺めすぎずにそっとしてあげて 徐々に落ち着かせてあげましょう。

また猫は探検家です。部屋だけでなく家の中もしっかり探索させてあげて下さい。 家の隅々まで歩き回ると落ち着きやすくなります。

初めて見る人達に少し警戒もしますが、徐々に馴れてきます。ストレスがなくなるまで のんびり見守ってあげましょう。猫はよく寝る習性があるので、しっかり眠らせてあげましょう。その子の性格にもよりますが、1週間もあれば 新しい環境に慣れてくれると思います。

猫は物を倒したり、上を歩く習性があるので、あらかじめ倒れやすい物は片づけましょう。コップを倒されないように注意も必要です。

猫にエサを与える

キャットフードはとてもたくさんの種類がありますが、大手メーカー製で 内容量があまり多すぎない量のものを購入しましょう。

キャットフードも開封すると徐々に古くなります。その為、速めに使い切れる量の 袋ですと新鮮なうちに消費できます。キャットフードはなるべく冷暗所に保管しましょう。また「総合栄養食」表示のあるものを与えると栄養が偏らず育てられます。

キャットフードはドライフード、ウェットフード、とありますが猫の好みによります。 初心者には扱いやすいドライフードがおすすめです。体調が良くないときは 消化に良いウェットフードが無難ですね。

猫のエサは毎日適正量を与えましょう。エサのパッケージに書いてある通りの分量を 与えて下さい。少しずつ食べる子と1度に全部食べる子もいます。多くは与えず、 適正な量、適正なカロリーを守りましょう。

エサは複数回与える

猫は犬と違って少量ずつ食べる子が多いです。できれば1日の適正量を5回程度に 分けて与えるのが理想的ですが、ドライフードなら傷みにくいので、1日の量を まとめて器に入れても大丈夫です。

総合栄養食のほかに「一般食」と書かれたキャットフードもありますが、これは おやつと考えて下さい。一般食だけでは必要な栄養素をまかなえません。また 一般食を与えたら、その日はその分のカロリーを引いた食事量にしましょう。

猫のトイレのしつけ

床に座る猫

猫がトイレ以外の場所で排泄しないように、初日からトイレの場所を教えます。 その猫専用のトイレを用意し、猫砂を入れてから1度猫を入れてあげます。 そこに砂があることを教えてから、また自由にします。

猫がソワソワしたり、地面を嗅ぎ出したら大体はトイレです。その際は猫用トイレに 入れてあげましょう。食後にトイレに行く子は多いですね。

猫用トイレの置き場所は、猫用食器から離れた部屋の隅が無難です。ドアなど 出入り口付近は猫が落ち着きません。静かで頻繁に人が通らない場所がいいです。

猫が用を足すと砂に匂いが付きますので、尿の付いた砂は少し残しておきます。 猫は尿の匂いの付いた場所に用を足そうと学習します。

大切なのは、トイレ以外で用を足しても猫を叱らない事です。叱ると排泄したことを 叱られたと思ってしまうので逆効果です。徐々に覚えてもらいましょう。

猫は犬よりもトイレを覚えるのが早いです。7日前後で覚える子が大半ですね。 覚えの悪い子もいますが辛抱強く接してあげましょう。なお猫はトイレを1匹1台で 用意してください。

猫とのふれあい

猫は狩猟本能が強いので、猫じゃらしなどの猫用オモチャで遊んであげて、 しっかり運動させてあげましょう。あまり活発でない品種もいますが、運動不足に ならない程度に遊んであげてください。

猫用のオモチャも実は沢山の種類があります。猫じゃらしが1番ですが、 他にも相性のよい物があるかも知れません。

また猫が隠れられる物があると猫が落ち着きます。猫が隠れている時に オモチャを前に置くと飛びついたりするので楽しいですよ。

また室内でも運動させることはできます。犬用のおもちゃやボールは最適です。 犬に見えるようにボールを投げると、犬は全力で取りにいきます。狩の本能ですね。 犬がボールをくわえてきたら再度投げてあげて運動させます。

猫の健康診断

飼い始めたらすぐ、動物病院でこまめな健康診断、予防ワクチン接種を行って下さい。 元気がない、エサを食べないときは迷わず診察を受けましょう。

稀に全くワクチン接種を受けない方がいますが、できるだけ受けてください。 子猫だけでなく、大きくになってもワクチン接種を定期的に受けられることを お勧めします。

猫の爪研ぎのしつけ

猫の爪研ぎは本能的な行為なのでやめさせることはできません。これは爪の手入れと 匂いを付けるマーキング行為でもあります。生まれてから1ヶ月以上経ったあたり から初め出します。

爪研ぎで大事な物を傷付けられないように、爪研ぎをしてもよい物を用意しましょう。 個体により好みがありますが、麻のロープを巻いた物、カーペット、段ボール、木の 順で猫が好んで爪研ぎをしてくれます。

経験上、キャットタワーの上段に麻のロープを巻いておくと大体はそこで爪研ぎを します。飼い主の望む場所で爪研ぎをしたら、ご褒美にエサをあげると効果的です。 なお叱っても効果はほぼ無いと思って下さい。

猫の去勢・避妊手術

猫も早めの去勢・避妊手術をオススメします。発情期を迎えると気性が荒くなる事もありますし、成長してからストレスを溜めさせないためにも、早めに検討して下さい。

費用は、大半の動物病院で15,000円~30,000円程度ですが、別途麻酔料や血液検査料 などがかかります。また地域によっては助成金が出るところもありますのでご確認下さい。

猫とのつきあいは長いものです。たっぷりの愛情を持って、毎日接してあげて下さい。 そしてその猫にとっても最高の思い出が出来るように大切にしてあげて下さいね。