ベタの飼い方・育て方

ヒレの青い魚、ベタ

ベタは熱帯魚の中でも、とても知能が高い魚です。ベタは飼い主を覚えるようで、エサをあげようと 水槽の側に来ると喜んで水面にエサが落ちてくるのを待ってくれたりします。 また、小さい土管を水槽に入れると、くぐって遊んだりすることもあります。

ベタの魅力は、その色あいとヒレの美しさにあると思います。色の種類は非常に豊富で、選びきれないほど です。銀色や青色といった、熱帯魚としては珍しい色をもった品種もあります。また品種も非常に 豊富で、ヒレの形が何種類もあるのが特徴ですね。

ただベタは、その美しさは期間限定です。お店で購入してからおよそ1年くらいで老化しだして 色合いとヒレの美しさは衰えていきます。色は薄くなったり退色することが多いですが黒や赤、青など 原色系は劣化が少ないと感じます。中間色や明るい色合いから3原色のいずれかに戻る場合が多いです。

ベタを飼う前に

ベタを飼う前に、まずはベタを飼育するための準備をしておきましょう。まずは水槽が必要で、 オスのベタは1つの水槽に1匹ずつしか飼えません。同種の魚を攻撃する習性があるためです。 ベタのメスや、ヒレの長い外観の似た魚も攻撃するので注意が必要です。金魚やコリドラスなど、 ベタにシルエットが似ていない魚には無関心なので、混泳しても安全です。

水が5L以上入る水槽(金魚用水槽でOK)と、ベタ用のエサ(キョーリン「ひかりベタ」など)、 水温計、水槽用ヒーター、カルキ抜き剤と新品のバケツがあればベタを飼育できます。 できれば水槽は30cm水槽で9Lほど水が入るものが望ましいですね。

名称 ベタ、闘魚
英語名 Betta
分類 ゴクラクギョ亜科 淡水熱帯魚
相場価格 1匹600円~12000円程度(ブリード)
成魚の全長 約4~5cm
魚の性格 熱帯魚の中で最も荒い。
習性 オスは単独飼育。メスは群泳可能だが単独が望ましい。他魚との混泳は一部可能。
適温 水温26℃~30℃
適したph 約6.5~7.5
飼育しやすさ 飼育しやすい
寿命 約3年程度(環境による)
入手しやすさ とても入手しやすい。熱帯魚店ならまず扱っています。
適した水槽サイズ 30cm水槽。1匹5Lから可能
繁殖難易度 繁殖は難しい。経験が必要。

ベタの「ラビリンス器官」

ベタは「ラビリンス器官」という特殊な器官をもっており、水中だけでなく、クチで水面から直接 呼吸できます。酸素を水中から4割、空気中から6割取り込んでいるようです。つまり、水中の酸素濃度が 低くても生存可能です。

これは原産地タイでの洪水を生き延びてきたベタ独自の進化によるものと思われます。 そのため、ベタの水槽にはエアレーション無しでも飼育できます。もちろんエアレーションを付けても 問題ありませんが、水流は苦手なので弱めにかけてあげましょう。

ベタは長いヒレのせいで泳ぎは不得意といえます。あまり素早く泳がず、優雅にゆっくりと泳ぐ タイプです。また目はなかなか良いようで、エサを見つけるのも早いですね。ベタの半径1M程度は しっかり見えているようです。

ベタを水槽へ移す

ベタを購入したら、ベタの入った袋を水槽へ移すわけですが、急に水槽へドボンと入れるのはNGです。 魚は水質の変化に敏感なので、徐々に水槽の水に慣れてもらう必要があります。 水槽の水は、あらかじめカルキ抜き剤を入れておきましょう。

水槽の水の水温を26℃程度にセットしておき、ベタの入った袋を水槽に浮かべます。これはベタのいる 袋の水の温度と水槽の水の温度を同じにするために20分程度浮かべたままにします。 これで同じ水温になります。

次に、ベタの入った袋に水槽の水を少しずつ入れていきます。出来れば20分くらいかけて下さい。 不用なコップなどの容器を使って、ベタの入った袋の水が元の倍の量に なる程度まで水を入れていきます。

これで、ベタの入った袋の水が水槽の水に近くなりました。ゆっくりと袋の水をベタごと水槽に 全部入れます。ベタに異変がないことを確認して、水槽への引越し完了です。

ベタの水換え

魚のいる水槽の水は徐々に汚れてくるので、定期的に一定量を新しい水に交換します。 およそ1週間に一回、水槽の水換えをしましょう。水槽の水は1/4程度換えます。 エサを少なめに与えていれば、2週間に1回でもかまいません。

水槽からバケツに水を1/4程度移し、同時に水槽内のベタのフンやホコリの様な汚れを取ります。 フンは大型スポイトを使うと取りやすいです。スポイトは熱帯魚店で購入できます。

バケツの古い水を捨てて、水ですすぎ、ベタの水槽と同じくらいの温度の水(28℃程度)を バケツに入れます。これは給湯器を使いましょう。バケツに入れる量は水槽から取り出した 水と同じくらいの量を入れてください。

バケツの水に「カルキ抜き」を入れて塩素を抜きます。カルキ抜きは「コントラコロライン」 などがお勧めです。注意書きを見て、適量を入れてください。 バケツの水をベタの水槽にゆっくりと足して完了です。

ベタのエサやり

ベタは雑食ですが、改良品種なせいか水草やコケは食べません。人工のベタのエサをあげましょう。 金魚やメダカのエサはあまり食べません。肉を好むなど、やや好みがうるさい品種です。 要らないエサはプッと吐き出す習性があります。

ベタ用のエサには粒状の物が最適ですが、乾燥赤虫、冷凍赤虫、ブラインシュリンプやミジンコも 食べます。ただ小食なので少なめにあげてください。ゆっくり1粒ずつあげましょう。 熱帯魚用フレークは水面に浮かべても上手く食べられず、底に溜まります。

ベタには粒状のエサなら1日に5粒程度あげましょう。より多くあげることもできますが、 健康的に飼うならエサを少なく与えるのがベストです。キョーリンの「ひかりベタ」、「ひかりベタアドバンス」 がお勧めです。

ベタはあまり激しく泳がない品種なので、エサがなくても1週間程度は平気です。2、3日あげなかった 時でも、翌日からまた1日5粒程度あげれば充分です。多く与えると胃に負担がかかります。 多少痩せても、毎日エサをあげていくと徐々に元の体形に戻ってきます。

ベタのオス・メス

ベタのオス
ベタのオス

ベタのメス
ベタのメス

ベタはオスが派手でヒレも大きく、メスはやや小柄で地味な色合いです。鑑賞価値が高いのはオスですが メスもまた野生種に近い姿で美しく、安価に購入できます。なおメスはエサをオスよりも食べます。 オスの1.5倍~2倍を目安に与えてください。

ベタの品種

ベタはヒレの形によってさまざまな品種に分かれます。元々は「ベタ・スプレンデンス」という野生種 から突然変異して別れたのが現在流通している「ショーベタ」になります。ヒレの形によって プラカット、ハーフムーン、フルムーン、ダブルテール、トラディショナル、デルタに分かれます。

また色によっても区別され、レッド、ブルーがポピュラーですがプラチナホワイトやブラック、 エメラルドグリーンもあります。体が金属光沢だと「ドラゴン」名が付きます。なおブラックは なかなか珍しく、滅多に生まれてきません。

よりベタを詳しく知るなら、こちらのサイトも参考になりますよ。↓
正しいベタの飼い方