ディスカスの飼い方・育て方

ディスカスの成魚

最も美しい熱帯魚の1つであるディスカスは、昔から「熱帯魚の王様」と呼ばれており、 大変人気があります。カラーバリエーションも豊富なので飽きにくい品種でもあります。 世話は少しかかりますが、上級者になるほど楽しめるのがディスカスの特徴です。

ディスカスのきれいな色あいは、年齢やエサ、環境、コンディションにより変化します。 しっかり飼いこむほど徐々に良い色合いになります。(数年かかります)群れを好むので 複数のディスカスを飼うのが理想的ですが、その場合90cm~120cm水槽が必要で、 熱帯魚でもやや敷居が高いといえます。十分なスペースと予算が必要になります。

名称 ディスカス
英語名 discus
分類 キクラソマ亜科 淡水熱帯魚
相場価格 1匹7000円~200,000円程度(美しさによる)
成魚の全長 約20cm
魚の性格 とても温厚で臆病
習性 雑食で泳ぎはやや苦手。混泳には向かない
適温 水温26℃~30℃
適したph 約6.5
飼育しやすさ 難しい。中~上級者向け
寿命 約10年程度(環境による)
入手しやすさ 入手しやすい
適した水槽サイズ 60cm水槽以上。大型水槽が望ましい
繁殖難易度 繁殖は難しい。経験が必要。

ディスカスの相場・値段

熱帯魚の中でも、ディスカスほど価格の幅が広い品種はなかなかいないです。色合いの 美しさ、大きさで値段が決まりますが、それほどきれいではない個体なら1万円以下で 買えますし、非常に美しい個体は10万円台も珍しくありません。

なので、もし初めてディスカスを飼う方は安い個体から初めて、ディスカスの特性に慣れてから 高価な品種に挑戦される方がベストかと思います。ディスカスは熱帯魚の中でも特に高価な 部類に入ります。

ディスカスの習性

ディスカスはとても温厚で、繁殖期以外は群れを好みます。野生のディスカスはかなり大きな 群れで行動します。また水質、環境に非常に敏感なので、phや水温をしっかり管理する 必要があります。

ディスカスは水槽の真ん中を泳ぐことを好みます。エサを食べるときは水面に上がりますが それ以外では水槽の中間を遊泳することがほとんどですね。

また、特有のものとしては自分の子供が孵化してしばらくすると「ディスカスミルク」という 粘膜を分泌して稚魚に与えます。ディスカスの稚魚はディスカスミルクを食べて成長します。 これは他の熱帯魚には見られない習性ですね。

ディスカスは生命力が強く、病気になっても完治しやすい特色があります。ほかの熱帯魚 よりも明らかに強靭なので、落ちにくい(死ににくい)魚ともいえます。

ディスカスの種類

泳ぐディスカス

ディスカスは大きく分けて野生種と改良品種に分かれます。野生種は産地+色で分類し、 ブリードされた改良品種は色で分類されます。またブリーダーが独自に命名したオリジナル カラーもあり、非常に多彩ですね。

野生種は「ヤムンダ産ロイヤルブルー」、改良品種は「スーパーレッドダイヤ」あたりがポピュラー です。色の種類は非常に多いので、好みの品種、カラーを見つけるのも良いかもしれません。

ディスカスの水槽

ディスカスは熱帯魚でもやや大きい魚なので、可能な限り大きな水槽が望ましいです。 60cm水槽か、可能なら90cm水槽が欲しいところ。ただ90cm水槽はかなり大きいので、 まずは60cm水槽から始めるのが無難かと思います。

ディスカスには「ディスカスハンバーグ」や「赤虫」など水が汚れやすいエサが中心になるので、 掃除のしやすさを考えると、底砂に何も敷かない「ベアタンク方式」での飼育が無難です。

どうしても敷きたい場合は、水質に影響を与えない底砂を。大磯砂はphを上昇させるので、 田砂などならOKです。田砂+水草や枝を入れると見栄えも良くなります。

ディスカスを選ぶ基準

ディスカスは一般に高価な魚なので、予算内でできるだけ気に入った個体を見つけましょう。 好みは人それぞれなので、安価な品種でも奇麗だと思えば十分価値があります。 奇麗な品種ほど高いですが、自身の好みで選ぶのが一番だと思います。

健康なディスカスの基準は、他と比べて痩せていない、体表に粒のようなものが付いていない、 ヒレが溶けていない、ゆったりと泳いでいて色がハッキリでている個体です。こういった健康な 個体を選んでみてください。

ディスカスを購入する場合も、熱帯魚店かディスカス専門店で買うわけですが、出来るだけ ディスカス専門店での購入をお勧めします。専門知識ならやはり専門店の方が強いです。 または大型の熱帯魚店でディスカスに力を入れているお店が望ましいです。

ディスカスの水合わせ

ディスカスを購入したら、自宅の水槽に移すわけですが、ドボンと入れるわけにはいきません。 水槽の水とは水質が違うので、徐々に水質を変えてディスカスに慣れてもらいましょう。

ディスカスは大型なので、通常の水合わせよりも手間がかかります。まずはバケツを用意して、 バケツにディスカスを水ごと全部入れます。

それからディスカスの入ったバケツに水槽の水を足していきます。これはコップで徐々に足すか、 エアチューブで少しずつ足す2通りのやり方があります。どちらでもOKです。

30分ほどかけて、ディスカスのいるバケツに水槽の水を足し、バケツがいっぱいになったら バケツの中身をディスカスごと水槽に入れます。出来れば大型の容器でディスカスを移せるのが 理想的です。

ディスカスを水槽に移したら水合わせ完了です。その日はエサを与えず、環境になれるように そっとしておいてあげましょう。

ディスカスのエサやり

ディスカスには、専用のエサとして「ディスカスハンバーグ」が有名です。これは牛ハツといって 牛の心臓の肉の加工品です。そして冷凍赤虫。これが基本食になります。

1回につき10分程度で食べきる量を与えますが、ディスカスはかなり大食いなので、 1日に2回あたえます。朝夕に分けてあげましょう。(成魚の通常時)

まだ若いディスカスを大きく育てる場合、1日3回のエサやりもOKです。回数を多くあげても 太らずに成長してくれます。エサをあげすぎる心配はあまりなく、あげただけ食べるので 食費はかかりますね。

成魚のディスカスなら、人口のエサに慣れてもらうことでエサ代を抑えることも可能です。 キョーリンの「ひかりクレスト ディスカス」なら、ディスカスハンバーグと混ぜて与えることも 可能です。

基本的に天然のエサを与えるので、水槽の水の汚れは非常に速いです。週に2回は 水槽の水を1/3程変えましょう。

ディスカスのオス・メス

残念ながらディスカスは外観からオスとメスの判別はほぼ不可能です。繁殖させたいときは、 複数のディスカスを水槽で飼い、自然とペアリングしてくれるのを待ちます。

60cmワイド、または90cm水槽などの大型水槽でないと繁殖させるのは難しいのが 本音ですね。スペースと予算、そして時間があれば挑戦してみるのもよいかもしれません。