アカヒレのエサ

目次

はじめに

アカヒレは雑食性の魚であり、天然のエサや人工のエサどちらもよく食べます。しかし、飼育者にとって最も便利なのは人工エサです。本記事では、アカヒレに適したエサの種類、給餌量、給餌方法などについて詳しく解説していきます。

人工エサ

アカヒレには、キョーリン社の「ひかりプチ」をお勧めします。アカヒレ1匹あたり、耳かき1杯程度の量を1日1~2回与えてください。

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「ひかりプチ」の成分はアカヒレの成育に理想的な配合で、ビタミンやミネラルも豊富です。人工エサの使用原料はフィッシュミールといって、これは魚を細かくして粉末状にフリーズドライしたものです。アカヒレも好んで食べるので安心です。

人工エサの利点は、栄養バランスが整っていることと、保存が容易なことです。また、水質への影響も比較的少ないため、初心者の方にも扱いやすいエサと言えるでしょう。

天然のエサ

他にも、乾燥赤虫などはアカヒレの好物です。乾燥赤虫とは、蚊の幼虫で、水生生物なので魚にとっては重要な蛋白源になります。姿は小さなミミズそのものですが、非常に栄養価が高いので、まだ小さいアカヒレの成長を促してくれます。

乾燥赤虫の他に、冷凍赤虫という商品もあります。これは生の赤虫を冷凍させたもので、解凍して使いますが、正直これはアカヒレには勿体ないかと思います。また、保存も解凍も手間がかかるので、常温で使える乾燥赤虫の方が断然楽ですね。

天然のエサとしては、他にもミジンコをフリーズドライさせたものもありますが、扱いやすさではやはり乾燥赤虫が断然いいですね。アカヒレのエサには、キョーリンの「ひかりプチ」と「乾燥赤虫」がベストだと思います。

天然のエサは栄養価が高く、魚の自然な行動を引き出すという利点があります。しかし、保存や準備に手間がかかることや、水質を悪化させやすいという欠点もあります。これらのエサは、人工エサと組み合わせて与えるのが理想的です。

適切な給餌量

目安としては、アカヒレがエサを1,2分で食べきる量で充分です。アカヒレをたくさん飼っている場合は、その分多めにエサを与えますが、あまり多く与えても健康に良くないので、多く与えすぎないようにしましょう。すぐに食べきる量で充分です。

魚は少ないエサでも生きていけるので、気持ち少な目に与える方が長生きしてくれます。逆にエサが多いと、アカヒレが太るので分かります。繁殖させる前に太らせるのは有効ですが基本的に長生きはしてくれにくいですね。

適切な給餌量は、アカヒレの年齢や大きさ、水温、健康状態などによっても変わってきます。例えば、若い個体や成長期の個体は、成魚よりも多くのエサを必要とします。また、水温が高いときは代謝が活発になるため、やや多めのエサを与える必要があるでしょう。

一方で、病気や弱っているアカヒレには、通常よりも少量のエサを与えるようにしましょう。消化器系に問題がある場合、多くのエサを与えると逆効果になる可能性があります。

残ったエサの処理

アカヒレに多くエサをあげた場合、食べ残しが発生します。食べ残したエサは水槽の底に沈み、腐敗して水槽の水を痛めるのでこまめに回収しましょう。これには大型スポイトが便利です。スポイトは熱帯魚店で売っていますので買っておきましょう。長年使えるのでお得です。

慣れてくると、アカヒレが食べ残さない量を与えられるようになるので、沈んだエサの回収はあまりしなくなりますが、スポイトは水槽に沈んだアカヒレのフンの回収にも使えますので常備しておきましょう。

残ったエサを放置すると、アンモニアやニトリンなどの有害物質が発生し、水質を悪化させます。これは魚の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、藻類の異常増殖を引き起こす原因にもなります。したがって、給餌後30分程度経過したら、残ったエサを必ず取り除くようにしましょう。

エサの種類と形状

魚のエサは形にも種類があり、粉状、粒状、フレーク、タブレット状などがあります。アカヒレには粒状のエサが最適です。雑食なので他の魚のエサも食べますので、メダカ用のエサなども食べますが、できるだけ「ひかりプチ」を与えましょう。

粒状のエサは、アカヒレの口の大きさに適しているだけでなく、水中でゆっくりと沈んでいくため、魚が自然な摂食行動をとることができます。また、粒状のエサは水質への影響も比較的少ないのが特徴です。

一方、フレーク状のエサは水面に浮くため、主に表層で餌を取る魚に適していますが、アカヒレも問題なく食べることができます。ただし、フレーク状のエサは水中で素早く広がるため、水質への影響が大きくなる傾向があります。

タブレット状のエサは、主に底層で餌を取る魚向けですが、アカヒレにも与えることができます。ただし、タブレットは溶けにくいため、食べ残しが発生しやすく、水質管理には注意が必要です。

エサの賞味期限

魚用のエサも賞味期限があります。パッケージの裏に書かれていますが、これはあくまでも「未開封の」賞味期限ですので、開封したら徐々に酸化していきます。長持ちするように保存料も添加されていますが、基本的には開封してから半年が期限だと考えましょう。

エサを開封した日をメモしておき、エサ入れの近くに貼っておくとベストです。半年経ったら中身が残っていても捨てて新しいものを買ってください。魚のエサは開封して使い切ることはまずないので、古いエサを与え続けないように注意しましょう。

古いエサは魚の健康に影響しますので、新しい、鮮度の高いエサを与えるようにしてください。未開封のエサをストックしておくのも良い方法ですよ。

エサの保存方法も重要です。開封後は、乾燥剤を入れて密閉容器に保管し、直射日光や高温多湿を避けるようにしましょう。冷蔵庫での保存も効果的ですが、使用する際は室温に戻してから与えるようにしてください。

給餌スケジュール

アカヒレの給餌は、1日1~2回が一般的です。朝と夕方に分けて与えるのが理想的ですが、1日1回の場合は、夕方に与えるのがよいでしょう。これは、多くの魚類が夜行性であり、夕方から夜にかけて活発に摂食活動を行うためです。

ただし、給餌回数や時間は、飼育者の生活リズムに合わせて調整することも可能です。重要なのは、毎日ほぼ同じ時間に給餌することです。これにより、アカヒレは給餌時間を予測できるようになり、ストレスを軽減することができます。

また、週に1日程度は絶食日を設けるのも良い方法です。これにより、消化器系に休息を与え、過剰給餌による健康問題を予防することができます。ただし、幼魚や産卵直後のメスなど、特別なケアが必要な個体には絶食を避けるようにしましょう。

特別な場合の給餌

アカヒレの生活サイクルや健康状態によっては、通常とは異なる給餌が必要になる場合があります。例えば、繁殖を促したい場合は、高タンパクで栄養価の高いエサを与えることで、魚のコンディションを整えることができます。

また、病気から回復中の個体には、消化の良い特別食を与えることが効果的です。例えば、ビタミンやミネラルを強化したエサや、生きた餌(ブラインシュリンプの幼生など)を与えることで、免疫力を高め、回復を促進することができます。

季節によっても給餌を調整する必要があります。冬場など水温が低下する時期には、アカヒレの代謝も低下するため、給餌量を減らす必要があります。逆に、夏場など水温が上昇する時期には、代謝が活発になるため、やや多めに給餌しても問題ありません。

手作りエサ

市販のエサに加えて、手作りエサを与えることで、アカヒレの食生活に変化をつけることができます。手作りエサは、アカヒレの栄養バランスを調整したり、特定の栄養素を強化したりする際に有効です。以下にいくつかの手作りエサのレシピを紹介します。

野菜ゼリー

材料:

  • ほうれん草やズッキーニなどの緑色野菜
  • ゼラチン
作り方:
  1. 野菜をボイルし、細かくミキサーにかける。
  2. ゼラチンを湯で溶かし、野菜ペーストと混ぜる。
  3. 型に入れて冷蔵庫で固める。
  4. 小さく切って与える。
この野菜ゼリーは、アカヒレに植物性の栄養を補給するのに適しています。

エビペースト

材料:

  • むきエビ
  • ニンジン
  • ビタミン剤(魚用)
作り方:
  1. エビとニンジンをボイルし、ミキサーでペースト状にする。
  2. ビタミン剤を加えて混ぜる。
  3. 小分けにして冷凍保存する。
使用時は解凍して少量ずつ与えます。このエビペーストは、タンパク質が豊富で、アカヒレの成長を促進します。

手作りエサを与える際は、市販のエサとバランスよく組み合わせることが重要です。また、手作りエサは腐りやすいため、作り置きする場合は冷凍保存し、使用時に解凍するようにしましょう。

まとめ

アカヒレの適切な給餌は、健康維持と長寿に直結する重要な要素です。以下に、本記事で解説した主なポイントをまとめます:

  • 基本的なエサは、アカヒレ専用の人工エサ(「ひかりプチ」など)を使用する。
  • 天然のエサ(乾燥赤虫など)を適度に組み合わせることで、栄養バランスを整える。
  • 給餌量は、1〜2分で食べきれる量を目安とし、過剰給餌を避ける。
  • 残ったエサは速やかに除去し、水質悪化を防ぐ。
  • エサの賞味期限に注意し、開封後は半年を目安に使い切る。
  • 給餌スケジュールを一定に保ち、魚にストレスを与えないようにする。
  • 特別な状況(繁殖期、病気の回復期など)では、適切に給餌を調整する。
  • 必要に応じて手作りエサを取り入れ、食事に変化をつける。

これらのポイントに注意しながら給餌を行うことで、アカヒレの健康を維持し、活き活きとした姿を長く楽しむことができるでしょう。また、日々の給餌を通じて、アカヒレの様子をよく観察することで、早期に異常を発見し、適切なケアを行うことができます。

アカヒレは比較的丈夫で飼育しやすい魚ですが、適切なケアを行うことで、さらに長く健康に飼育することができます。エサやりは、そんなアカヒレとのコミュニケーションの重要な機会でもあります。アカヒレの習性や好みを理解しながら、楽しく飼育を続けていきましょう。